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光源性能

BL3では、 SACLA加速器が生成する高輝度電子ビームと真空封止型の短周期アンジュレータを組み合わせることにより、 1Åを切るような短波長領域のFELを生成し利用することが可能です。 電子ビーム・アンジュレータの設計パラメータと、 シミュレーションコード 「SIMPLEX」 により計算されたXFELの放射パラメータを表にまとめます。 SACLA加速器は、 多段バンチ圧縮システムを採用しており、 圧縮パラメータを変更することによりXFELの放射性能を調整することが可能です。
SACLAのアンジュレータは、 磁極間隔 (ギャップ) が調整可能なギャップ可変型を用いており、 ギャップを制御することにより、 速やかにFELの発振波長を変更することが可能です。 電子ビームのエネルギーを8 GeVに固定したときの波長の調整範囲と光強度のシミュレーション例を図に示します。
SACLAは、 現在調整運転が行われています。 達成された性能について、 随時掲載を行います。

電子ビームパラメータ
ビームエネルギ 8 GeV (最大)
規格化スライスエミッタンス 0.77~1.1 pimm.mrad

アンジュレータパラメータ
周期長 18 mm
周期数 277 /segment
アンジュレータ長 5 m/segment
セグメント数 18
K値 2.2 (最大)
偏光 水平直線偏光

FEL放射パラメータ
エネルギー < 20 keV (基本波)
光子数 2e11 ~ 5e11 phts/pls @ 10 keV
パルスエネルギー 0.31~0.78 mJ/pls @ 10 keV
ピークパワー 29 ~50 GW @ 10 keV
発散角 0.8 urad (rms)
ビームサイズ 80 um (rms) @ EH1 (L=100 m):
パルス幅 6~30 fs (FWHM)
エネルギーバンド幅(ΔE/E) 1e-3
繰り返しレート 60 Hz (最大)

specification
アンジュレータのK値を変えたときの光子エネルギー(横軸)、及びそれぞれの条件におけるピークパワー(左軸)とパルスエネルギー(右軸)。 電子ビームのエネルギーは、8GeVに固定した。